事業情報

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの月別トピックス

2015年7月発表分

【7月9日 公表】
 2015年6月26日、ガラス固化体貯蔵建屋 貯蔵区域下部プレナム※1において錆の発生を確認しました。
 錆の発生箇所は、建設時に支持架構※2を設置するために用いた位置決め部材であり、本事象について社内評価を行った結果、施設の安全性に影響を及ぼさないことを確認しました。
 この錆については、当社の自主的な調査として状況等を確認することとし、今後、その準備として現在貯蔵中のガラス固化体を他の貯蔵区域へ移動します。
 ※1 下部プレナム:貯蔵区域の下部空間
 ※2 支持架構:通風管を固定するための部材
添付:ガラス固化体貯蔵建屋概要図(PDF)

【9月1日公表 ガラス固化体貯蔵建屋の調査状況について】
 今後、錆の調査のため、貯蔵中のガラス固化体を第4貯蔵区域※3に移動することを踏まえ、同区域の詳細調査を行ってまいりましたが、これまでの状況を以下のとおりお知らせします。
 当社としては、設備の安全機能である冷却性能等に影響を与えるものではないと考えております。
  ※3 第4貯蔵区域:現時点でガラス固化体を貯蔵しておりません。
参考:ガラス固化体の貯蔵状況(PDF)

 (ガラス固化体貯蔵建屋B棟 第4貯蔵区域の調査状況)
a)下部プレナムの位置決め部材(全20本)
・位置決め部材の基部8本に錆と思われる変色が確認されたほか、同部材の上部19本の表面に薄い付着物を確認したが、サンプル分析・凹凸観察の結果、母材※4の錆ではなく、外部から飛来したものを起因とする付着物(鉄錆)であると考えている。
・位置決め部材のアルミ溶射膜※4の厚さを測定した結果、建設時でのアルミ溶射膜施工時の管理目標値以上確保されていることを確認。
・当該箇所は、建設時に支持架構を設置するために用いた位置決め部材であり、施設の安全性に影響を及ぼすものではない。
※4:外気に直接触れる炭素鋼にアルミニウムによる溶射膜を施工している。母材を炭素鋼としている位置決め部材、収納管、通風管、下部プレナム形成板に施工している。

b)通風管、収納管
・通風管67本(全80本)の内面(下部)と収納管底面の一部(9本)に茶褐色の変色を確認したが、サンプル分析・断面観察結果から、母材の錆ではなく、外部から飛来したものを起因とする付着物(鉄錆)であると考えている。
→ファイバースコープによる観察の結果、円環流路※5を閉塞させるような異物や変色がないことを確認。
→通風管内面と収納管外面のアルミ溶射膜の厚さを、変色部も含めて測定した結果、建設時でのアルミ溶射膜施工時の管理目標値以上確保されていることを確認。
→通風管・収納管の母材の肉厚を測定した結果、所定の厚さ以上確保されていることを確認。
→付着物の表面を洗浄剤でふき取り、除去できることを確認。
※5 円環流路:通風管内面と収納管外面の間の空気が流れる空間

c)その他設備
 ・下部プレナム形成板※6の一部に、茶褐色の変色を確認。
→アルミ溶射膜の厚さを、変色部も含めて測定した結果、建設時でのアルミ溶射膜施工時の管理目標値以上確保されていることを確認。
※6 下部プレナム形成板:貯蔵区域の下部空間を形成する仕切り板

 以上のことから、第4貯蔵区域の位置決め部材、通風管、収納管、下部プレナム形成板で確認された変色部は、アルミ溶射膜より外面に付着している鉄錆と判断しており、設備の安全機能である冷却性能等に影響を与えるものではないと考えている。今後、他の貯蔵区域についても調査を行う。
 なお、第1貯蔵区域、第2貯蔵区域、第3貯蔵区域についても、ファイバースコープによる観察の結果、円環流路を閉塞させるような異物や変色は確認されず、貯蔵区域の冷却機能は確保されていることを確認している。
 添付:概要図(PDF)

【9月18日 公表】
 2015年9月18日、ガラス固化体貯蔵建屋B棟 第3貯蔵区域下部プレナム部等の調査のため、同貯蔵区域に収納しているガラス固化体を第4貯蔵区域へ移動する作業を開始しました。

【10月5日 公表】
 2015年10月4日、ガラス固化体貯蔵建屋B棟 第3貯蔵区域に収納しているガラス固化体を第4貯蔵区域に移動する作業を終了し、同年10月5日に第3貯蔵区域の下部プレナム部等の調査を開始しました。

【11月19日公表 ガラス固化体貯蔵建屋の調査状況について】
 第3貯蔵区域下部プレナム等の調査を行ってまいりましたが、これまでの状況を以下のとおりお知らせします。
 当社としては、設備の安全機能である冷却性能等に影響を与えるものではないと考えております。

a) 下部プレナムの位置決め部材(全20本)
・位置決め部材の基部9本に錆と思われる変色が確認されたほか、同部材の上部17本の表面に薄い付着物を確認したが、サンプル分析・凹凸観察の結果、母材の錆ではなく、外部から飛来したものを起因とする付着物(鉄錆)であると考えている。
・位置決め部材のアルミ溶射膜の厚さを測定した結果、建設時でのアルミ溶射膜施工時の管理目標値以上確保されていることを確認。
・当該箇所は、建設時に支持架構を設置するために用いた位置決め部材であり、施設の安全性に影響を及ぼすものではない。

b)通風管、収納管
・通風管40本(全80本)の内面(下部)に茶褐色の変色を確認したが、サンプル分析・断面観察結果から、母材の錆ではなく、外部から飛来したものを起因とする付着物(鉄錆)であると考えている。なお、収納管には変色等の異常は確認されなかった。
→ファイバースコープによる観察の結果、円環流路を閉塞させるような異物や変色がないことを確認。
→通風管内面と収納管外面のアルミ溶射膜の厚さを、変色部も含めて測定した結果、建設時でのアルミ溶射膜施工時の管理目標値以上確保されていることを確認。
→通風管・収納管の母材の肉厚を測定した結果、所定の厚さ以上確保されていることを確認。
→付着物の表面を洗浄剤でふき取り、除去できることを確認。

c)その他設備
・下部プレナム形成板の一部に、茶褐色の変色を確認。
→アルミ溶射膜の厚さを、変色部も含めて測定した結果、建設時でのアルミ溶射膜施工時の管理目標値以上確保されていることを確認。

 以上のことから、第3貯蔵区域の位置決め部材、通風管、下部プレナム形成板で確認された変色部は、アルミ溶射膜より外面に付着している鉄錆と判断しており、設備の安全機能である冷却性能等に影響を与えるものではないと考えている。今後、第1貯蔵区域、第2貯蔵区域についても調査を行う。

【12月2日 公表】
 2015年12月2日、ガラス固化体貯蔵建屋 第2貯蔵区域下部プレナム部等の調査のため、同貯蔵区域に収納しているガラス固化体を第3貯蔵区域へ移動する作業を開始しました。

【2016年5月2日 公表】
 2016年4月26日、ガラス固化体貯蔵建屋第2貯蔵区域に収納しているガラス固化体を第3および第4貯蔵区域に移動する作業を終了し、同年5月2日に第2貯蔵区域の下部プレナム等の調査を開始しました。

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